№19 2月例会 講演会「難聴と認知症の関り」

 【講演会の内容】

2月26日(日)浜難聴の2月例会に参加しました。講師は横浜市立大学医学部付属病院耳鼻咽喉科の荒井康裕先生です。若くて溌剌としたお医者さんというのが第一印象でした。先生から先ず、会場に向けて「皆さん、補聴器や人工内耳を使用していない方はいますか?」と問いかけがありましたが、挙手は皆無。

先生からは「補聴器を使ってこうした講演会にも参加している皆さんには認知症の心配は無いのでは、聞こえの不自由を自覚しながら齢だからと諦めて何も考えない方が問題だ。補聴器と人工内耳は認知症の予防になる」と以下のようなお話がありました。

難聴⇒音情報低下、認知資源が減少、社会的孤立、うつ、孤独⇒脳の萎縮、神経細胞の弱まる⇒負のスパイラルに陥り認知症発症に大きく影響する。認知症の予防可能な40%の12の要因の中で「難聴」は認知症の最も大きな危険因子となるという指摘もあり「より良い聞こえ」が認知症予防に繋がる!

●補聴器はメガネのように1回の調整では済まないので、少なくとも3ヶ月は認定補聴器技能士のいる店に通って自分の聴力に合った聞こえに調整してもらうことが大事である。

結論として補聴器や人工内耳をつけて難聴に正しく対処し適切な「聞こえ」を維持し脳を活性化し家族や仲間とコミュニケーションを楽しんでいれば予防となり認知症の発症を遅らせる可能性が高いのではないかという内容でした。

《写真撮影 会員の杉田美好さん》健康福祉センター9階会議室の窓からみなとみらいを一望できます。20歳~30歳代の若者を対象にした住みたい街アンケート調査では「横浜」が6年連続して1位だったので、ちょっと誇らしい気分になりました。

【事務局長のつぶやき】

今回の講演の中で特に私が気になった個所は「若年発症型両側感音性難聴」の部分でした。原因不明で両側性に難聴が進行する疾患のことです。

1,両側性2,遅発生、3,40歳未満の発症4,既知の外因因子によるものを除外5,既知の原因遺伝子の同定6,両側の平均聴力70デシベル以上

私が難聴になったのは30歳代、当時の医学ではあちこち病院をはしごしても「原因不明、治療方法はなく進行性難聴である」という診断でした。あれから35年以上が経過して、自分の障害を受け入れ前向きに生きてきましたが、心の片隅にはいつも「私は何故、若くして聴こえなくなったのか?」という思いが常にありました。

2年前に聞いた信州大学病院の宇佐美名誉教授のお話と今回の荒井先生のお話を統合して私の難聴の原因は遺伝子にあったと確信しました。両親は亡くなるまで良く聞こえていましたが、母方の祖母は私が物心ついた頃にはすでに耳が遠くて家族皆、祖母には大きな声で話をしていた記憶があります。

姉や兄には聞こえの問題なく私にだけ隔世遺伝をしたらしい。ここで何故私だけに遺伝?という疑問が生じました。先生から伺った話によると横浜市大病院耳鼻科では遺伝子検査が保険適応で受けられるそうです。

私には子供が3人いますが、今のところ子供に耳の心配は見受けられません。しかし私の遺伝子をもし受け継いでいれば怖いので折を見て遺伝子検査を受けて見ようかと今、思案をしています。

私は過去に何度も難聴に関する講演を数多く聞いてきましたが、今回の荒井先生のお話は分かりやすい解説、話す速度も丁度良い、声が耳に聞き取りやすい音域、そして若くてかっこいい(👍)こんな理由で今回の講演はトップ10であったと思います。

須山会長が、荒井先生にお会いして直談判をして下さり今回の講演が実現をしました。高齢者の多い浜難聴なのに何故?参加者がイマイチ少なかったのが残念で勿体なく感じました。

《写真撮影 会員の杉田美好さん》みなとみないではお馴染みの景色 帆船の向こう側に個性的な姿のコンチネンタルホテルが見えます。

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